【令和三年七月 祗園祭山鉾巡行 報告】

平素より「京都・祇園祭ボランティア21」へのご奉仕、また格別のご協力・ご協賛を賜りまして、厚く御礼申し上げます。
昨年に引き続き、本年も祇園祭は神幸祭・還幸祭の神輿渡御が中止となり、山鉾行事の象徴である山鉾巡行も中止となりました。
その一方、一部のご町内では二年ぶりに山鉾が建てられ、お囃子の音色が奏でられる中、明年の完全巡行に向けた技術継承が図られるなどの明るい兆しも見られました。
このような中でも、祗園祭の本義である国家安寧祈願、特に疫病退散を祈願して、八坂神社では粛々と祗園祭御神事が執り行われました。
前祭の十七日夕刻から後祭の二十四日までは、御神輿の替わりとなる御神霊の依り代として、御榊が四条御旅所に奉安されました。

前祭山鉾巡行の十七日朝には、山鉾連合会役員様、前祭各山鉾町の代表者様による隊列を組み、各々の榊を山鉾に見立てて奉持し、練り歩きによる巡行が行われました。
例年通り、九時ちょうど、今年は居祭で建てられた長刀鉾のお囃子と音頭取りの掛け声に見送られて四条烏丸を出発し、四条通を東進して四条寺町御旅所まで徒歩による巡行を行いました。
今年は、簡略化されましたが籤改めに替わる籤渡しも行われ、四条御旅所到着後は八坂神社を遙拝されました。
後祭山鉾巡行の二十四日には、三条通を東進し、三嶋亭前から寺町通を南進する往古の後祭巡行路を彷彿させる経路にて練り歩きが行われました。
後祭でも籤渡しが行われ、四条御旅所到着後は、御旅所に奉安された御神霊に参拝され、本年の山鉾巡行行事が終わりました。

「京都・祇園祭ボランティア21」からも、露払い・祇園会旗手・連絡整理員・救護員・記録員等、約十名がお供してご奉仕させていただきました。
時局柄、参集者の密集を避けるため、関係者の帯同も最小限度に自粛いただくなどの申し合わせがされており、祗園祭を楽しみにしておられた皆様方にも、本行事について事前にお知らせすることができなかったこと、行列へのご奉仕についても役員・スタッフの一部に限定しての対応となったこと、大変心苦しく思っております。
諸事情ご拝察の上、ご理解下さいますようお願いいたします。

明年、令和四年はいよいよ例年通り、山鉾を曳いての巡行ができる社会環境となるよう、皆様方にも感染拡大防止と収束に向けた取組みにご協力いただきたく思います。
なお一層、ご健康に留意いただき、元気にお会いできることを心から楽しみにしております。

令和二年七月末日 京都・祇園祭ボランティア21 一同

(文責:文化情報委・福塚)